イスラム国は環境がうみだした悪魔
各地でテロ行為を繰り返すイスラム国。
ニュースの報道を聞くたびに、今日もどこかで罪のない人達が容赦なく殺されているんだなと思うと、自分には直接関係ないもののさすがに怒りを覚えてくる。
一体何がしたいんだろう。街中のテロ行為によって殺された人達が一体彼らに何をしたというのだ。
しかも彼らにとってはそれが正義の行為なのだ。全く関係ない人達を巻き込み殺戮する。理解できない。
しかしながら、以前「イスラム国とそこに集まる世界中の人達はこの世の中にグレている人達だ」というような記事を読んだ。
なるほどなと思った。社会に対しての不満、怒り、差別、不公平な扱い。
自分にも心あたりがあった。
以前働いていた仕事先で僕は不満だらけだった。他の同僚と比べ不公平な扱いを受けた。その同僚達は普段は気のいい奴らなのに、その事に関しては自分達の既得権益を守るために誰も寄り添ってくれなかった。
仕事中「何でいつもおれだけ」という思いがずっと離れず、仲良かった同僚をも憎むことが増え、気持ちが淀んでいった。
「イスラム国はグレている」という記事を読んで、僕は真っ先にその事が思い浮かんだ。
そう考えてみると彼らのテロ行為自体は理解できないものの、彼らの「世の中に対してグレてる感じ」はすごく分かる気がした。
全く関係者ない人々をテロ行為によって殺戮する。
通常の人間ではありえない行為。理解できない。理解できるはずがない。
しかし彼らもきっと生まれた時は僕らと同じだったはず。
つまり彼らはそんな状況まで追い込まれてしまったんだと思う。
きっと国の情勢だったり、腐敗した政治だったり、差別的な世間だったり。次第に追いやられ、心が貧しくなり、周りから温もりを分けてもらう事もなく、不運が重なり、徐々に未来が見えなくなってしまったんだと思う。
僕も彼らと同じ境遇で育ち同じ環境にあったならば、もしかしたら彼らと同じようになっていたのかもしれない。
そう思うと決して「おかしな奴らだ、ありえない!」と他人事として割り切ることができない気がする。
イスラム国は社会の汚れた部分が生んだ膿だと思う。環境次第で誰だってそうなる可能性はあると思う。僕たちは自分達の既得権益を守り、見て見ぬフリをし、彼らは誰からも関心されなかった。
彼らもまた、笑顔で日々生きている僕らの犠牲者なのかもしれない。